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DIY「スマホ用モバイルバッテリーを簡単に自作」


その他
2021-07-23


「スマホ用モバイルバッテリー」を自作してみました。

充電回路は本格的に作ると非常に難しいので、保護回路はFUSEとリチウムイオンバッテリー頼という簡易的なやつです。

主な仕様は下記の通り。

 

電池容量:定格7.4V 4600mAh

出力:5.4V1A×2ポート(USB) 

充電電流:アンドロイドは1A、iPhoneは500mA。

USBケーブル:タイプA(メス)-micro usbタイプB(オス)。

type Cは変換コネクタで応用。一応ライトニングケーブルも利用可。

 

容量は少ないけど安価なスマホなら2台分はそこそこ充電できる感じです。

以下に作成したモバイルバッテリーの詳細を記しますので、興味のある方は是非参考にして下さい。

※あくまで参考程度で、作るのは自己責任でお願いしますm(__)m

作成に必要なもの

回路図

今回は降圧レギュレーターやリチウムイオンバッテリー、FUSE、USBコネクタなど使用していますので、自分なりに分かり易く回路図を作成しました。

回路図が出来れば、次は必要な部材を揃えます。

部材

今回使用した部材は下記の通りです。

・ACアダプター 100V/12V 3A

・ACアダプターコネクタ(DCメス)

・DCDC降圧レギュレーター(XL4015)×2

・保護回路付きリチウムイオンバッテリー 定格7.4V 2300mAh×2(並列使用)

・USBコネクタタイプA(メス)×2

・FUSE 2A×1 3A×2

・ダイオード ×1(順電流3A以上、逆電圧10V以上)

・収納ケース ×1

・導線

・半田、半田小手

・マルチテスター

・プリント基板

・切り替えスイッチ × 2

・電圧、電流モニター × 1

家にある使っていないアダプターとか電池とか利用できるものもあるかと思います。それを使えば費用は安くなりますね。筆者の場合電池とかアダプタとかが使ってないやつがあったので、比較的安く作れました。¥1500位か。電池が無けりゃ高いからちょいとネックですね。

作成について

降圧レギュレーターの出力調整

始めにレギュレーターの出力電圧を調整します。

今回は2段に分けて降圧してるので、まず前段の12V/8.4Vから調整します。

これはリチウムイオンBTの充電電圧になるので、リチウムイオンバッテリの最大電圧(今回の場合定格は7.4Vですが、最大は8.4V)にあわせます。

次いで後段のレギュレーターの調節、これはスマホの充電電圧に合わせるので通常であれば5Vに合わせますが、今回は5.4Vにしています。

後述しますが、充電回路に制御IC等を使用しなければ5Vでスマホの急速充電(1A以上)が出来ません。USBの電圧仕様が5V±10%ですので、最大5.5Vまでが範囲内であり、上げる事が可能。今回は5.4Vまで上げて、急速充電にする算段です。

回路を繋げる

後は回路図通り、極性に気を付けて部品をつなげていきます。

ダイオードはリチウムイオンバッテリーを充電していない時の逆流防止で取り付けています。

完成後、使用していない時に2次側のレギュレーターに電流が流れていた為、切り替えスイッチ(単なる手動でON/OFFのもの)を回路図の箇所に取り付けました。使用しない場合、OFFにして回路をオープンにします。使用する場合はONにして回路を繋げます。

最終的にケースに納めなければならないので、その辺を考慮して回路を組み立てなければいけません。

センスが問われる所であります。

電圧、電流のチェック

電圧確認

組立が終われば、もう一度電圧のチェックを行います。

①リチウムイオン充電時の8.4V、5.4Vチェック

リチウムイオン電池を抜いた状態にてテスターで前段レギュレーターの出力箇所8.4V、終段レギュレーターの出力箇所5.4Vを確認。

②ACアダプタを抜いた状態でのリチウムイオンBT電圧、及び5.4Vチェック

リチウムイオン電池を取りつけた状態でバッテリの電圧が終段のレギュレーター入力に印可されているか、5.4Vで出力されているかの確認。

電流確認

テスターで計る場合は測定したい箇所の回路に直列で接続しなければならないため少し面倒ですが、必ずチェックが必要です。

①リチウムイオン充電時の電流値

ACアダプタを接続し、出来れば各バッテリのプラス側にテスタを直列に挟んでそれぞれ計測。各バッテリーに電流が流れていればOK。

※バッテリの電圧残量により電流値が左右されます、7~8Vまでは各バッテリに500mA~1.5A位流ます。また、各バッテリの元の電圧にばらつきがあれば、流れる各バッテリの電流値にもばらつきが出ます。基本2つのバッテリは同じ電圧で充電を始めるのが望ましいですね。

②スマートフォン充電時の電流値

ACアダプタを抜き、リチウムバッテリでのスマートフォン充電電流を計測します。これもテスタでは面倒ですが、USBコネクタのプラス端子に直列にテスタをはさんで計測。後述する充電ケーブルの加工をしていない状態であれば、500mA前後流れます。※スマホが満充電近くない場合。

スマホの充電電圧を5.4Vに上げていますが、まだそれだけでは急速充電は出来ませんので、500mA前後流れていればOKです。

スマホの急速充電について

充電ケーブルの加工

前途した5.4Vの電圧のみではスマホが急速充電できません。

というのも、急速充電は充電ケーブルのデータラインの信号をやりとりして初めて作動する仕組みになっている為です。

今回は回路に制御ICは乗せていませんので、データラインは使用していません。

そこで、ケーブルのデータラインを加工する事で強制的に急速充電する方法があるので、それを使います。

至って簡単で、充電ケーブルのスマホ側、D+とD-を短絡させるだけでOKです。※緑と白の線を短絡させる。その他は同じ色同士接続。

※タイプCケーブルは加工できません。タイプCのスマホの場合、USBタイプBのケーブルを加工し、タイプCの変換コネクタ取り付けでOKです。

※基本アンドロイド端末対応になります。

※今回の急速充電についてはiPhoneは対応していませんが、充電は出来ます。500mAで我慢にはなりますが。

これで、1A位電流が流れるようになります。

満充電近くなると必然的に電流値は下がりますので安心です。

ほぼ完成

シンプルな構成ですが、以上でモバイルバッテリーの完成です。

今回の仕様だと、大体スマホ2台分は急速充電(1A程度だけど)で利用出来ます。2台同時充電もOK。

モバイルバッテリの充電には多少時間がかかりますが、だいたい半日ほど充電すれば8.4V近くまでいきますね。

ただ、モバイルバッテリの満充電のタイミングが分からないのがネックではあります。LEDで試行錯誤しましたが、どうやら制御ICがないと難しいみたいです。

時間で予測するか、都度バッテリの電圧を確認するか。。

ということで、「電圧、電流表示パネル」を回路に取り付けて、リアルタイムに電圧の可視化が出来るようにします。

電圧、電流モニターの取り付け

リチウムイオンバッテリーの充電状態を可視化できる電圧、電流モニターを使用します。品名:DE-2645-02

図の箇所に取り付けでリアルタイムに充電状態(電圧、電流)が確認できるようになりました。これで満充電のタイミングが分かるようになります。

満充電になれば、電流値が0になるので、そこが充電終了のタイミングです。

また、このモニター待機時に消費電流が流れるので、使用しない時はOFFにするため、切り替えスイッチを図の箇所に取り付けました。

※モニタの電源は電圧計の箇所から取り出しています。

使用の注意点

簡易的に制作したものになりますので、充電回路の核となる制御ICが入っていません。

制御ICには異常温度のチェックや過電流などを検知、充電動作を遮断するといった安全装置が組み込まれています。

今回制作した回路は、一応過電流防止の為に危険な個所(電源回り)にFUSEを取り付けていますが、安全面ではやはりICに劣ります。

ですので、基本使用時には状態を確認できる身近に置いておく事がベストです。

あとバッテリの並列使用は同じ容量のものが必須です。

まとめ

今回、リチウムイオンバッテリーの容量(mAh)を増やす為に並列で使用していますが、巷ではこれが危険だといわれています。(いたる所で使われてますけどね。)

理由は、1つのバッテリが何らかの要因で故障し、電圧が一気に低下した場合、もう1つのバッテリから急激に大きな循環電流が流れてしまうからです。

※循環電流:並列使用の場合、互いのバッテリは同じ電圧になるように電流を流しあいます。

問題はそれが起きた時に回路を分断する事です。一応今回の回路には異常時に回路を分断出来るよう、FUSEを取り付けています。

とにかく、冒頭に書いた通り超簡易的なものになりますが、一応モバイルバッテリーとしての役目を果たしてくれています。

手間は多少かかるけど、まあ詰まる所自己満足ですね。市販の買った方がいい事は明白ですから。

ただ、自作する事に意義があるんですよね。

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